訪問美容でもパーマできる?料金相場と理想のヘアスタイルに仕上げるポイント

これまで定期的にヘアサロンでパーマをかけていた人は、要介護になったり妊娠したりしても、できるだけ同じヘアスタイルを維持したいですよね。訪問美容でパーマをかけられるといいのですが、ヘアサロン以外の場所でパーマをかけられるのでしょうか。

もしパーマをかけられるとして、ヘアサロンと同じくらいの仕上がりにすることは可能なのかなど、気になることがいくつもあるかと思います。そこでここでは、訪問美容でパーマをかけられるのかについて説明し、理想のヘアスタイルに仕上げるポイントもあわせて解説していきます。

訪問美容でもパーマをかけられる

まず結論からお伝えしますが、訪問美容でもヘアサロンと同じようにパーマをかけられます。移動式シャンプー台などが必要になるため、すべての訪問美容師が対応しているわけではありませんが、訪問美容を掲げている事業者であれば、ほとんどの事業者が対応可能です。

また訪問美容師のスキルにもよりますが、寝たきりの状態でもパーマをかけてくれる事業者もいますので、そのような人でもおしゃれを諦める必要はありません。ただし、誰でも利用できるかというとそうでもありません。

パーマにかかる時間は1時間程度。カットもする場合にはさらに30分、準備や後片付けに30分必要になるので、トータルで2時間程度の時間がかかります。訪問美容でパーマをかけられるかどうかは、この2時間に耐えられるかどうかも関係します。

2時間近くも同じ格好をし続けるのは、思った以上に体への負担が大きく、訪問美容の事業者がパーマに対応していても、施術を受ける人が耐えられない可能性もあります。パーマを依頼するかどうかは、その点も考慮して決めましょう。

訪問美容でのパーマ料金相場

訪問美容でもパーマをかけられるとなると、次に気になるのが料金相場ですよね。ヘアサロンと同じくらいの料金になるのであれば利用しやすいのですが、あまりにも高額だと困ります。ヘアサロンと訪問美容で、料金相場がどれくらい違うのか見ていきましょう。

料金相場カット パーマ
ヘアサロン3,000~4,000円5,000~20,000円
訪問美容 4,000〜8,000円8,000〜10,000円

ヘアサロンのパーマは縮毛矯正なども含まれるので、1回の施術費用が2万円近くなることもありますが、一般的なカットとパーマは訪問美容のほうが割高。訪問美容は交通費がかかりますし、移動時間も実質的な拘束時間になり、それらを加味した出張費用が追加で発生するためです。

さらに移動式シャンプー台などの訪問美容ならではの設備費用も追加され、2,000〜3,000円ほど割高になります。

介護施設なら半額程度の料金

訪問美容はヘアサロンと比べるとヘアカットもパーマも割高ですが、これをデイサービスなどの介護施設で利用するとなると、料金は半額程度まで下がります。ヘアカットは1,500〜2,000円程度で利用でき、パーマも4,000〜5,000円が相場

特徴

  • 1度に大勢の方がヘアカットやパーマを受けられる
  • 提携している美容師のスキルが低い傾向にある

この2点が、介護施設でのヘアカットやパーマの料金が安い理由です。最近増えてきた1,000円カットに近いサービスだと考えると、イメージしやすいかもしれません。パーマも仕上がりの美しさよりも安さを重視したいなら、デイサービスなどで利用するのがおすすめです。

自治体の助成金はパーマには利用不可がほとんど

訪問美容は出張費用分だけヘアサロンよりも料金が高めですが、自治体によっては要介護者を対象に訪問美容に対して助成金を出しています。それを使えば、パーマもリーズナブルな料金でかけてもらえるのではないかと期待している人もいるかもしれません。

しかしながら、自治体の助成金は「カットのみ」としているケースが多く、パーマまで対象にしている自治体はほとんどありません。いくつか例をご紹介します。

 パーマ利用サービス内容
品川区 ×1枚2,000円で品川区訪問理容・美容券を販売
江東区 ×年6回、無料でヘアカット
分寺市 ×1回あたり500円でカット&ブロー
横浜市 ×1回あたり2,000円でカット

このように、ヘアカットだけなら無料もしくは低料金で利用できるのに、「パーマは不可」としている自治体がほとんどです。ヘアカットは健康的な生活を送るために必要なサービスですが、パーマは絶対に必要なサービスではないと考えられているのでしょう。

ただし事業者によっては、ヘアカットに追加料金を払うことでパーマもOKとしてくれることもあり、カットも合わせて依頼するつもりだった場合には、実質的な割引を受けられます。

利用するときの流れは次のようになります。

STEP.1
自治体に助成制度がないか確認する
STEP.2
助成対象の事業者に追加でパーマできるか確認する
STEP.3
自治体に申し込みをする
STEP.4
事業者を予約して施術してもらう
STEP.5
事業者に美容券とパーマの追加料金を支払う

やや面倒に感じるかもしれませんが、これで2,000円程度安くなります。少しでも出費を抑えたい場合には、この手順で訪問美容のパーマをご利用ください。

訪問美容のパーマで理想のヘアスタイル

せっかくパーマをかけてもらうわけですから、できるだけ理想のヘアスタイルに仕上げてもらいたいところですよね。そこでここでは、訪問美容でパーマかけてもらうときに、意識してもらいたいポイントを紹介していきます。

仕上がりイメージをきちんと伝える

まず大事なのは仕上がりイメージをしっかりと伝えることです。「なんとなく」「お任せします」だと自分のイメージとはまったく違う仕上がりになることも多いので、希望するパーマのイメージがひと目でわかる写真を3枚程度用意してください。言葉で説明するよりも写真のほうが簡単に伝わります。

髪質によっては希望通りのパーマをかけられないこともあり、パーマをかけるまえのカウンセリングも重要になってきます。どのようなヘアスタイルにしたいのかだけでなく、自分の髪の悩みなどもしっかりと伝えておきましょう。

過去にブリーチやストレートパーマをしている場合には、その履歴も伝えることで、美容師は最適な方法を提案できます。伝えておいてマイナスになる情報はありませんので、気になることはすべて伝えてください。

ヘアカラーと同時に行わない

訪問美容は出張費用が発生するので、1回の費用が割高になります。このため、1度にあれこれまとめて依頼したくなりますが、ヘアカラーとパーマを同時に行うのはNG。お願いすれば対応してもらえますが、パーマの仕上がりが思い通りにならない可能性があります。

また同時に施術すると、髪へのダメージが大きいため、髪の健康を考えたときにもおすすめできません。髪へのダメージからの回復を考えると、ヘアカラーとパーマは1週間程度の間をあけるのがおすすめです。

施術順は「パーマ→ヘアカラー」にしてください。ヘアカラーを先にしてからパーマをかけると、パーマの薬剤で色落ちする可能性があります。反対の順番ならパーマがとれることもありませんので、この施術順序も頭に入れておきましょう。

パーマ後はしっかりとヘアケアする

訪問美容でパーマをかけてもらったら、その日からしっかりとヘアケアしましょう。パーマ直後は髪がダメージを受けている状態ですので、ケアをしっかりとすることでダメージからの回復を早められます。まずは薬剤を取り除くためのシャンプーです。

パーマ直後のシャンプーはNGと言われることもありますが、薬剤が髪や皮膚に残留することのダメージは大きいので、お湯で洗い流すだけでもしておくのがおすすめです。ただし、パーマのかけ方によっては、シャンプーをしないほうがいいので、念のため美容師に確認してください。

また傷んだ髪をすみやかに修復させるために、パーマ用トリートメントやパーマ用ヘアケア剤を使いましょう。通常のトリートメントやヘアケア剤だと、パーマが落ちてしまうこともあります。自分で選べない場合には、美容師におすすめを紹介してもらうといいかもしれません。

できるだけ同じ人に担当してもらう

訪問美容でパーマをかける場合に悩ましいのが、依頼する事業者によっては担当者が毎回変わってしまう問題です。ヘアサロンでは指名して同じ人に施術してもらえましたが、訪問美容の事業者によっては指名できないケースもあります。

パーマのような髪へのダメージが大きい施術をする場合、髪の主治医として同じ美容師に常に髪の状態をチェックしてもらうのが理想です。同じ美容師に依頼すれば、2回目以降のカウンセリング時間も短くて済みます。

訪問美容事業者によっては、2回目以降の料金が安くなることもあります。依頼した訪問美容師との相性がよくない場合や、スキル不足を感じた場合は他の美容師に依頼してもOKですが、できるだけ同じ人に担当してもらいましょう。

ヘアサロンの訪問美容がおすすめ

訪問美容でパーマをかける場合には、誰に依頼するのかも重要です。最近は美容学校を卒業したばかりで、ヘアサロンでの下積みなしで訪問美容師をしている人もおり、パーマをかけるときに、そのような人に依頼すると当然失敗する可能性が高くなります。

仕上がりにこだわりたいなら、おすすめはヘアサロンが行っている訪問美容を利用しましょう。ヘアサロンであれば、実績のあるスタイリストがカウンセリングから対応してくれるので、イメージ通りのパーマに仕上がります。

同じ人に継続して担当してもらいやすいというメリットもあります。介護専門の訪問美容でもパーマは可能ですが、担当者を指名できないケースもあり、そもそも指名したくなるほどのスキルを持っていない美容師も在籍しています。

最初にどのような人が施術するかわからないというのは、パーマを依頼する上で不安ですよね。知人の紹介などで信頼できる人がいるなら構いませんが、そうでないなら失敗する可能性が低いヘアサロンの訪問美容がおすすめです。

ただし要介護者がヘアサロンの訪問美容を利用する場合には、介護に関する資格を取得していたり、これまで十分な実績があったりする人に依頼しましょう。介護の実績や知識が十分ではない美容師に依頼すると、トラブル発生時の対処が遅れてしまうなどのリスクがあります。

要介護者:介護の実績や知識の有無を最優先
要介護者以外:美容師としてのスキルを重視

訪問美容でパーマをかけるときには、このような基準で自分に最適な訪問美容師を見つけましょう。

まとめ

訪問美容でもヘアサロンと同じようにパーマをかけてもらうことはできますが、出張費用が発生するため料金はヘアサロンよりも高めに設定されています。デイサービスなどの介護施設で施術してもらえば料金を半額程度に抑えられますが、仕上がりのクオリティは料金相応。

満足できる仕上がりにしてもらいたいなら、ヘアサロンの訪問美容に依頼するのがおすすめです。ただし要介護者の場合には、介護の資格を取得しているか、もしくは介護の現場での実績がある事業者にパーマをお願いしましょう。

予算や仕上がり具合、依頼者の状態によって最適な依頼先が変わってきます。重視するポイントを明確にして、訪問美容事業者を絞り込んでください。最初は相性がいい人を見つけるのが大変かもしれませんが、時間をかけて自分に最適な訪問美容師を探しましょう。